日本バスケットボール界において、世界での活躍が期待される選手の一人、馬場雄大(ばば ゆうだい)。彼は持ち前の身体能力と努力によって、日本国内だけでなく、アメリカNBAへの道を切り拓いてきました。本記事では、彼のこれまでのキャリア、NBA挑戦の軌跡、今後の可能性について詳しく解説します。
馬場雄大のプロフィールと経歴

- 名前:馬場雄大(ばば ゆうだい)
- 生年月日:1995年11月7日
- 出身地:富山県富山市
- 身長/体重:198cm/90kg
- ポジション:シューティングガード/スモールフォワード
馬場雄大は、バスケットボール一家に生まれ育ち、早くからその才能を発揮しました。富山第一高校を経て筑波大学へと進学。在学中からBリーグの注目を集め、2017年にはアルバルク東京と契約。すぐにチームの主力として活躍し、Bリーグでの2連覇(2017-18、2018-19シーズン)にも貢献しました。
NBAへの挑戦:テキサス・レジェンズでの奮闘
2019年、馬場は日本人選手として異例のステップを踏みます。アメリカのNBA下部組織であるGリーグの「テキサス・レジェンズ」と契約。これは、NBA入りを目指す選手にとって重要な登竜門であり、多くの才能ある若手がしのぎを削る世界です。
レジェンズでのプレー
馬場はGリーグで、持ち前のディフェンス力と機動力を武器に、次第に存在感を増していきました。特にスティールや速攻での得点など、試合の流れを変えるプレーで高く評価されます。Gリーグでの平均スタッツは、以下の通りでした。
- 出場試合数:41試合
- 平均得点:6.3点
- リバウンド:2.6本
- アシスト:1.3本
これらの数字だけを見ると物足りなく感じるかもしれませんが、馬場の真価はスタッツに表れない部分、泥臭くて勝利に貢献するプレースタイルにあります。
長崎ヴェルカで再出発──新たな挑戦の地へ

2023年7月、馬場雄大選手はB1昇格を果たしたばかりの長崎ヴェルカと契約を結び、再び日本のプロバスケットボール界に帰ってきました。NBAを目指して渡米し、GリーグやNBLでのプレー経験を重ねた馬場選手にとって、長崎は再出発の地であり、新たな挑戦の舞台です。
ヴェルカへの加入は、日本国内のみならず海外のバスケットボールファンにとっても驚きのニュースでした。なぜなら、彼のように世界で実績を積み重ねてきた選手が、B1昇格直後のチームに加入するというのは異例だったからです。馬場選手自身は、記者会見で「自分の役割はプレーでチームを引っ張るだけでなく、文化や組織の成長にも貢献すること」と語っており、単なる選手としての加入ではなく、チームの未来を見据えたリーダー的存在としての覚悟がにじみ出ていました。
ヴェルカでの活躍と存在感
長崎ヴェルカでの馬場選手は、攻守においてその存在感を発揮しています。スピードと運動能力を活かしたトランジションプレー、インテンシティの高いディフェンス、そして試合終盤のクラッチタイムでの冷静な判断は、若いチームにとって心強い存在です。
また、チーム内でのコミュニケーション能力にも定評があり、若手選手のメンタリングやモチベーション管理にも積極的に関与。これまでの海外経験を通じて培ってきた知識とマインドセットは、チームの戦術的な幅を広げるだけでなく、精神面でも良い影響を与えています。
Bリーグにおける馬場雄大の価値とは?
Bリーグは近年、NBAや海外リーグへの架け橋としての機能を強めており、馬場雄大選手のように「世界を知る男」がリーグ内でプレーすることは、その価値をさらに高めることになります。特に長崎ヴェルカのように地方都市を拠点にするチームにとって、馬場選手の存在は地域活性化やファン獲得にも貢献しています。
彼が出場するホームゲームでは、地元のファンのみならず、他県からのバスケットファンも多く詰めかけるようになり、まさに「マーケティング面でも影響力を持つ選手」と言えるでしょう。
NBA再挑戦への思いは消えていない
現在はBリーグでのプレーに集中している馬場選手ですが、NBA再挑戦への想いは今も胸の中にあり続けていると本人は語っています。特に2023年に発表されたインタビューでは、「NBAで通用しなかったとは思っていない。まだ自分の中に挑戦する気持ちは残っている」と明かし、将来的な渡米の可能性も否定していません。
つまり、長崎ヴェルカでのプレーは一時的な帰還ではなく、次のステップへ進むための準備期間とも解釈できます。本人が目指すのは「日本代表として世界と戦い、クラブレベルでも再び世界に挑むこと」。その視線の先に、再びNBAの舞台があるのは間違いありません。
NBA本契約の可能性と課題
Gリーグでの経験を経て、馬場は2020年のダラス・マーベリックスのトレーニングキャンプに招集されました。これは正式なNBA契約とは異なるものの、チームのロスター入りの可能性を探るための重要な機会です。
課題点とフィードバック
当時のコーチやアナリストからは、以下のような評価と課題が指摘されました。体格的にNBAのフィジカルにもう一段適応が必要
評価:
ディフェンスIQが高い
ハードワーカーとしての姿勢
チームプレーヤーとして好印象
課題:
オフェンス面でのフィニッシュ力向上
安定した3ポイントシュート
現在の所属と今後の展望
その後、馬場は再びBリーグに戻り、2023年から長崎ヴェルカでプレーし、今後、再度のNBA挑戦への意欲を示しています。また、2025年のFIBAワールドカップにも代表候補として名前が挙がっており、今後も代表戦を通じて海外チームのスカウトの目に留まる可能性があります。
日本人選手とNBA:馬場の意味
近年、八村塁や渡邊雄太といった日本人選手がNBAで活躍する中、馬場雄大は「育成→海外挑戦→帰国→再挑戦」という、新たなモデルケースとなっています。
彼の存在は、日本バスケットボール界の若手にとっても大きな希望です。特に、自身の武器を見極めて世界に挑む姿勢は、多くの指導者やプレイヤーにとって学びの多いものとなるでしょう。
まとめ:馬場雄大の未来に期待
馬場雄大選手のキャリアは、常にチャレンジと成長の連続でした。国内トップ選手としての地位に甘んじることなく、果敢に世界へ挑み、その過程で多くの困難や成功を経験してきました。現在は長崎ヴェルカという新天地で、チームを支えながらも次なる飛躍を見据えています。
Bリーグのレベルアップとともに、馬場選手自身のパフォーマンスもさらに進化することでしょう。
ファンとして、そして日本バスケットボール界の一員として、馬場雄大選手の今後の活躍から目が離せません。